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COLUMN-IN

”舞楽”制作の裏側:第一話-閃き

今日は8月3日。

ここは安芸高田市高宮町。僕の故郷だ。


いくら山の中の田舎とはいえ、この季節は暑い。

とにかく、めちゃくちゃ、ごりっごりに暑い。

そんな故郷で「夏の服をリリースしたばかりだけど、そろそろ冬物の制作を始めないとな…」


なんて思いながら、いつものレイゴルーティン。

レイゴルーティンについてはまた別の独り言の際に説明させてもらおう。

まずは12:30から神楽講演。
本日の出演団体は羽佐竹神楽団だ!


僕が大好きで、安芸高田市の中でもトップクラスに上手な神楽団だ。


安定した神楽囃子(かぐらばやし)、キレのある舞、観客を魅了する演出。
エンタメと伝統が綺麗にバランスよく混ざっていて、見飽きないのが特徴だ。

(あくまで僕の意見です。素人目線です。偉そうなこと言ってほんまにすみません。許して。)

今日の演目は塵倫と滝夜叉姫。

「塵倫(じんりん)」は、

異国から攻め来た大軍と悪鬼を題材とした演目で、

第14代天皇・帯中津日子(たらしなかつひこ)が

天の鹿弓(あまかごゆみ)・天の羽々矢(あまはばや)をもって

悪鬼・塵倫を討ち果たす勇壮な戦いを描いている物語。

「滝夜叉姫(たきやしゃひめ)」は、

平将門の娘・五月姫が父の無念を晴らそうと妖術を得て

反乱を企てる物語を題材とした演目で、陰陽師・大宅中将光圀らとの

宿命的な戦いと、朝廷への復讐に散る姫の姿を描いている物語。

舞を見ながら、自然と気持ちが高ぶっていく。

ふと目を奪われたのは、舞手の衣装にあしらわれた蝶。

鮮やかに、光を跳ね返して揺れていた。

蝶…自由。儚い。力強い。

古来より無敵や魂の象徴として描かれ、平安時代の文学や能楽にも登場する。

考えれば考えるほど、蝶という存在に惹かれていく。

うーんかっこいいなぁ…美しいなぁ

そして、ここで閃いたんだ。

「舞楽」……これだ、と。

頭に浮かんだ瞬間、胸の奥で何かがカチッとはまった

舞楽はただ舞うだけじゃない。

音に合わせて体を動かす美しさ。

もがきながら羽ばたく強さ。

悔しさやしんどさも抱えたまま前に進む力。

神楽を見て、蝶の衣装を見て、舞う姿を追っていると、

舞楽の本質が自然と見えてきた。

自由に舞い、周りを魅了し、生きる力を放つ。

その力を自分のデザインの力で表現できたら……そう思った。

今回のコンセプトは、時代や流行に縛られず、自由に、華麗に、周りを魅了する蝶。

その蝶の力を、舞と音 ── 舞楽 ── に重ねて、作品をアパレルに落とし込む。

少しずつスケッチを描き、色や形を試し、試作を重ねていく。

その過程も、皆さんに覗いてもらいたい。

完成まで、ちょっとだけ、見ててくれい!!

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